イタチを見た。このあたりで見るのは3度めだろうか。もちろん,いつだって見つけるのは偶然に近い。そもそもどこに巣があるのかもわからないのだから。
イタチはちょうど土手をおりてくるところだった。急いでカメラを向け,シャッターをきる。そのとたん,イタチは動きを止め,じっとこちらを見た。もう1枚。イタチはこちらを見つめたままやはり動かない。
しばらくして,イタチは身をひるがえして走り去り,もうファインダーごしにその姿を追うことはできなくなってしまった。
さらに歩いて行くと,今度はカワセミだ。いつもカワセミだろうか。こちらは,カメラを向け,シャッターをきっても,微動だにしない。こっちを振り向きもしない。そして,突然に飛び立ち,対岸近くの川面に飛び込んだ。その後は岸の枯れたヨシの陰で見えなくなり,首尾よく獲物にありつけたかどうかはわからなかった。
幅は5mもない,でも,大きくはないとはいえ街なかの川だ。こんなところにも,意外なほど多くの生き物が生活していて,もっと自然豊かなところや渓流にでも行かないと見られないと思っていたイタチがじっとこちらをうかがっている様子や獲物をねらうカワセミの姿まで見ることができる。そんな不思議さに,とても爽快な気分になる。
本当に忙しいと思っていたあのころ,休みの日の,ちょっとしたすきま時間。そのころ,こんなふうに,この川沿いを歩いていたら,何を見つけていたのかなぁ,そんなことを思う,今日このごろです。
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