発売とほぼ同時に購入し,ずっと使っていた D100 を引退させて,発売後まもなく手に入れた Nikon D200 。それからほとんど8年になる。デジタルカメラとしては,異例の長い期間買い換えることもなく使ってきた。その間,フラッグシップ D2 も D3 から D4 へと進化し,イ メージセンサーは DX(APS-C)から FX(フルサイズ)になり,D3桁機も D300 はとうに越え,D700 や D800 系・D600系ではやはり FX になってしまった。DX 機は D4桁になっていて D7100 なんて "!" としかいいようもないスペックになっている。
この間,新しい一眼レフを買わなかったのはなぜだろう。もちろん,一眼レフは安くはない。それも理由の一つだが,D100 は 30万をわずかに下回った時点で踏み切ったし,D200 もどちらかというと20万よりは30万に近い方の価格で買う決心をしている。間が何年かあれば,30万というのは多少の無理をして買うか買わぬかの,いわば "分水嶺" ということになる。
その上,近年の一眼レフは,ずいぶんと買いやすい価格になってきていて,D610 などは,FX フォーマット(フルサイズ)なのに,ニコンダイレクトの直販価格でも 20万を切っているではないか。DX(APS-Cサイズ) の D7100 だったら,15万円をかなり下回っている。(いずれもボディのみ)
買わなかった理由はただ一つだと思う。それは,あの形だ。もともとニコンのカメラは,直線基調のデザインになっていて,私はその直線的なスタイルも大好きだったようなのだ。
実は,D100 や D200 でも,ちょっとまるいよなぁ,と思っていたのだが,その後のカメラは,やっぱりまるっこくて「新型ほしい!」の気持ちと「このまるっこさはヤだ!」の気持ちとを天秤にかけると,いつでも「ヤだ!」が勝っていたわけだろう。そうこうしているうちに8年。カメラはますます「まるっこく」なり,ますます「ヤだ・欲しくない」が強くなっていった…というわけ。
Df を待ちかねるようにして購入したとなると,ノスタルジーとか懐古趣味とか言われそうでいやだというのはある。だからというわけではないが,昔の一眼レフのスタイルにこだわっているわけではないと思う。身のまわりで,ちょっと高価だけど愛用しているものって,"四角い" のが多いのだ。たとえば PC 。ノートPC を愛用しているが,今使っているのは,天面も裏面もほぼ平らで手前も奥もほぼ同じ厚さ。重ねればほぼ完全にA4ファイルに重なってしまう(ただし,ちょっと長辺が長い) NEC の LZ750。デスクサイドに置いてある多機能プリンタは EPSON PX-045A,写真用には同じく PX-7V を使っている。
D100 の前に長いこと使っていたのは実は F601 なんだけど,手放すのにためらいはほとんどなかった。今思えば,このころすでに オートフォーカスのカメラは(Nikon のカメラでさえ)ちょっとまるっこくなってきていたよね。
コンパクトデジタルもそう。初期のものは他に選択肢もあまりなかったからしかたないとしても,近年のものを見るとこの傾向は余計はっきりするね。Panasonic のなら TZ-10 とか FX2 ,Nikon のものなら S510 や S8000 。現役のものでは,今お気に入りの LF1(Panasonic)とか,DP2(SIGMA),完全に見栄の V-LUX40 も同傾向の外観だよね。レンジファインダーには(まったくといっていいくらい)思い入れもこだわりもないのに,選んできたものは全部直線と平面が基調のデザインだ。
そういう流れの中で,今回の Df の発売だから,ほんとうに久しぶりに,買いかえる気になったんだと思います。
もちろん,レンズは単焦点,ズームは似合わない ― だなんていいません。AF も AE も,そしてズームも差別しないで使いますよ。使いたいと思ったら,古いレンズも使いますけどね。
ノスタルジーでもレトロでもない,最新のデジタル一眼レフが欲しかったんだし,そんな一眼レフを手に入れたんですから。
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